息を調える、即ち呼吸法です。
心と体(身)を繋ぐ要になるのが呼吸です。呼吸に、人間の身体の変化や心の変化がすぐそのまま現れてくることはご存じでしょう。
呼吸は人間の精神状態と最も直接的に関わっていますし、その上、呼吸は身体機能としては自律していながら、他方では意識的に調整できるものです。従って、この呼吸法によって自分の身と心を調える工夫が可能になるのです。
ここでは、丹田呼吸と呼ばれる呼吸法を紹介いたします。単純に腹式呼吸と考えていただいてもかまいません。
上下の唇を軽く合わせ、舌の先を上顎に軽くつけます。そして肛門を軽く意識的にすぼめます(外肛門括約筋を少し緊張させる)。
人体の前後正中線上には任脈と督脈と呼ばれる経絡がありますが、この二つの経絡の気の流れを交流させて、体全体の気の流れを良くするためにこのような事を行います。
普通「深呼吸」というと、先ず息を吸うことを連想しますが、本末は字が示しているように、息を呼き切るところから始まります。
下腹を絞るようにゆっくりと、息を呼き出します。
ある程度呼き切ってしまうと、空っぽのスポイトに水がスッと吸い込まれるように、新しい息が腹にストンと入るようになります。
この自然のリズムにのって、水泳の息継ぎの時のように大きく、しかも静かにゆっくりと息を吸います。
吸った息はすぐに呼かずに、唇をキリッと結び、軽く踏ん張って下腹に留めます。そして、苦しくならない程度に、初めと同じようにゆったりと長く呼き出していきます。
このとき、息を呼くときも吸うときも、無理のないように行うことが肝心です。あくまでも、呼吸を整え、本来の自然のリズムを呼び覚ますことが目的ですから、苦しい呼吸をして、かえって呼吸が乱れてしまわないように気をつけてください。
呼吸の要領は「呼息を長く、吸息を短く」です。
深く安定した呼吸が出来るようになると、下半身がますます安定し、丹田が充実してきて、体が次第に温まってきます。